規範科学総合研究所
ヘルスフード科学部門
次席研究員(研究院講師)
血糖値とは?
血糖値に対する紅茶の影響
5つのポイント
食後は、誰でも血糖値が上昇します。
ブドウ糖は体を動かすエネルギーとなるもので、糖質が消化してつくられます。
食物の摂取によって誰でも一時的に血糖値が上がりますがインスリンの働きによって血糖値が下がり食後約2時間で平常値に戻ります。
人間は毎日、血糖値をコントロールしながら生きています。
血糖値のコントロールは、健康のカギ。
血糖値は、食事によって上下するほか、体調が悪いときや薬を飲んだとき、ストレスを感じているとき、お酒やタバコなどによっても、変化します。
血糖値の上昇はインスリンによって抑止され平常値に戻りますが、血糖値が高い状態が続くと糖尿病をはじめとした生活習慣病を招く恐れがあるので注意が必要です。
紅茶は、食後の血糖値上昇を抑えます。
パンやごはんに含まれるでんぷんは、アミラーゼ、マルターゼ、スクラーゼなどという酵素によって分解され、吸収されます。
紅茶は、これらの酵素の活動を抑える働きがあるので糖の分解を抑制することがわかってきました。
この働きによって、紅茶が食後の血糖値の上昇を抑えることができるのです。
食事やお菓子と一緒に紅茶を飲むことはダイエットの観点からもオススメです。
紅茶は、脂肪の消化・吸収を抑えます。
さらに紅茶に含まれているポリフェノールは、脂肪の分解を助けるリパーゼという酵素も阻害し、脂肪が体内に吸収されることを抑えます。
緑茶、ウーロン茶と比較しても、紅茶が一番、脂肪を吸収しにくいという結果が出ています。
脂肪の消化・吸収を抑えることで、メタボを撃退できればいいですね。
リラックス効果や、アンチエイジング効果も。
成人男女を対象にした実験によると、紅茶を飲むことによって緊張や不安の平均スコアが下がり、リラックス効果を得られることが確認されました。
一方、肌の老化の原因のひとつに「糖化」がありますが、肌のコラーゲンは糖化すると、構造が壊れ皮膚のハリや弾力が失われてしまいます。
紅茶は、糖化を抑制することから肌のアンチエイジングも期待できます。
飲み方のコツ
&
注意とポイント!
紅茶は、自由にお楽しみください
食後の血糖値上昇をゆるやかにするための紅茶の飲み方に制限はありません。ストレート、ミルクティ、レモンティなど、ご自由にお楽しみください。ホットでもアイスでも、OKです。
ハーブティにしてもGOOD
アンチエイジング効果を高めるために、抗酸化作用の高いローマンカモミールやセイヨウサンザシなどを加え、ハーブティとして楽しむのもおすすめです。
茶葉は、ポリフェノールが多いものを
紅茶は産地も種類もさまざまあるだけに、その成分もまた種類によって変わってきます。実験によると、血糖値上昇の抑制が特に顕著な茶葉は、「ウバ」と「ディンブラ」でしたが、紅茶ポリフェノール含有量の多い紅茶には、この働きが期待できるようです。生活習慣病対策として、紅茶をより多彩にお楽しみください。